F.1日教会めぐりコース

上五島29教会のうち20教会と、キリシタン信仰にちなんだ2スポットを回る、まさに世界遺産の歴史をたどる旅プランです。マリア像の慈悲深い表情が、訪れる者に安らぎを与えてくれます。
中通島の北の玄関口である有川港周辺をスタートし、南の奈良尾港周辺をゴールとする上五島縦断のプランです。

※ 教会は地域住民の大切な祈りの場です。マナーを守って静かに見学をお願いします。

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1日教会めぐりコースの所要時間と料金

所要時間8時間
料金ジャンボ(9人乗)49,920円
小型車 (4人乗)34,080円

コースの詳細

出発地(有川・青方地区)

Start

頭ヶ島天主堂

頭ヶ島天主堂

1919(大正8)年に完成し、コンパス司教により祝別・献堂された教会。全国的にも珍しい石造りの天主堂は鉄川与助の設計施工によるもので、信徒たちが近くの石を切り出して運び、約10年の歳月をかけて作られました。2001(平成13)年に国の重要文化財に指定。2018(平成30)年には天主堂を含む集落全域が、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「頭ヶ島の集落」として登録されました。

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キリシタン墓地

キリシタン墓地

頭ケ島天主堂から海側には整然と並んだお墓があり、弾圧の中で強く生き延びたキリシタン信者たちの歴史を物語っています。日本の墓地にある石碑と同じ形状のお墓ですが、石の上にはクルスが添えられています。
このキリシタン墓地では5月頃に咲くピンク色のマツバギクが、訪れる人を楽しませてくれます。

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旧鯛の浦教会とルルド

旧鯛の浦教会のルルド(画像提供:長崎県観光連盟)

上五島における布教の中心として1881(明治14)年に設立されました。1903(明治36)年に木造瓦葺きの聖堂に建て替えられ、後にレンガ造りの鐘塔が増設されました。鐘塔の一部には被爆した浦上天主堂のレンガが使われています。1979(昭和54)年には新聖堂が作られ、旧聖堂は現在資料館として使われています。旧聖堂の横には地元出身の彫刻家:中田秀和氏制作寄贈のマリア像と信徒たちの労働奉仕によって作られたルルドがあり、緑の中に浮かぶ二つの白い像が大変印象的です。

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丸尾教会・鉄川与助ゆかりの地

丸尾教会・鉄川与助ゆかりの地


数多くの天主堂を設計した鉄川与助の生誕地に建つ白亜の教会「丸尾教会」。現在の聖堂は1972(昭和47)年9月に建立されたもので、1928(昭和3)年建設の旧聖堂は納骨堂になっています。教会堂からは丸尾集落が見渡せます。
丸尾集落内にある「鉄川與助居宅跡」は建物は無くレンガ塀が残っているだけですが、敷地内にはたくさんの鉄川与助に関する説明板が立てられていて、鉄川の功績を知ることができます。

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青砂ヶ浦天主堂

青砂ヶ浦天主堂(画像提供:長崎県観光連盟)

1878(明治11)年頃に小さな集会所が作られたのが始まり。現在の教会堂は3代目で1910(明治43)年に建立。大崎神父が外国から原書を取り寄せて設計・施工の指導にあたったもので、鉄川与助のレンガ造り教会堂2作目となります。2001(平成13)年に国の重要文化財に指定。上五島の冬の風物詩「教会群のイルミネーション」は有名ですが、本天主堂のイルミネーションは、2012(平成24)年に日本夜景遺産にも認定されました。

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曽根教会

曽根教会

曽根地区は、五島崩れ(明治初めのキリシタン摘発)の際に、信徒たちが激しい迫害を受けた場所の一つです。最初の教会は1881(明治14)年に建てられ、1899(明治32)年に建てられた2代目の教会堂は鉄川与助が初めて教会建築に関わった教会堂です。現在の教会堂は1966(昭和41)年に建て替えられたもので、建物2階の高さに「無原罪の聖母像」が掲げられているほか、ルルドもあります。

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仲地教会

仲知教会

上五島北部の拠点になっている教会。1881(明治14)年に初代教会が建てられ、1948(昭和23)年に2代目が建立。現在の聖堂は3代目で、信徒の多額の拠出と労働奉仕により1978(昭和53)年に建立されました。美しいステンドグラスにはイエスが漁師を最初の弟子にする場面が描かれており、それには仲知の漁師たちが登場しているそうです。また、雲に乗り宙に浮かぶ珍しいマリア像があります。

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赤波江教会

赤波江教会

仲知教会からほど近い急斜面にある教会。1884(明治17)年に初代教会が建てられ、1971(昭和46)年に現在の聖堂となりました。
1870年代の赤波江はわずか8戸ばかりのキリシタン集落でしたが、大瀬良宗五郎、赤波江助作、赤波江キタという3人の伝道士が熱心に活動していました。小さな集落ながら今も祈りの場として使われており、急峻な坂を登っていくと入口で聖ヨゼフ像が出迎えてくれます。

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江袋教会

江袋教会

寄棟造り瓦葺きの小さな木造教会。五島崩れの迫害後、1872(明治5)年に集落全員が信仰復活し、1882(明治15)年に建てられました。日常使われている木造教会としては県内最古でしたが、2007(平成19)年の漏電火災で焼損。全国から支援を受け、焼け残った外壁や簗・柱などに保存処理を施して2010(平成22)年に復元されました。大正末期頃の姿を目指して復元された聖堂は、内部のリブ・ヴォールト天井や素朴な装飾など、歴史を感じる佇まいを残しています。

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冷水教会

冷水教会(画像提供:長崎県観光連盟)

奈摩湾を望んで立つ木造の教会。1907(明治40)年、後に数多くの教会を手掛ける鉄川与助(地元丸尾郷出身)が独立し棟梁となって初めて設計・施工した第1作目の教会としても有名です。トンガリ帽子のような尖塔をもつ単層屋根の小さな木造建築で、内部は三廊式。主廊部・側廊部ともに漆喰仕上げで、天井はリブ・ヴォールト天井(こうもり天井)ながら低く、列柱も角柱で柱頭の装飾も簡素な印象。冷水教会より4年早く建てられた旧鯛ノ浦教会堂の装飾とよく似ています。

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青方教会

青方教会

上五島地区のカトリックセンターとしての機能をもつ大型の教会。1960年代から1970年代にかけて過疎集落を集約する「集団移転」が五島各地で行われ、上五島の中心地だった青方地区には多くの移住者が集まり信徒数が急増。そのため1975(昭和50)年に新しく教会が建立され、さらに2000(平成12)年には現在の建物に建て替えられました。建物1階はカトリックセンターで、2階が教会聖堂になっています。

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大曾教会

赤レンガ造りの聖堂と白いキリスト像が印象的な教会。1879(明治12)年に最初の木造聖堂が建立され、1915(大正4)年に鉄川与助の設計により現在の天主堂となりました。
重厚な十字架と八角ドーム型の屋根をもつ方形の鐘塔、半円アーチの窓、西独製の花柄に組まれたステンドグラスなど、大正ロマネスク様式の代表作に挙げられます。2007(平成19)年に国の重要文化財に指定されました。

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昼食

※ 昼食代はコース料金とは別に必要となります。

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跡次教会

初代は1914(大正3)年、2代目は1932(昭和7)年、そして現在の教会堂は1984(昭和59)年に作られました。国道からすぐの山手に見ることができ、緑の中に映える白い外壁が美しい教会です。
教会から眼下を見おろすと青方湾が広がり、そこに浮かぶ世界初の洋上タンク式石油備蓄基地「上五島国家石油備蓄基地」を望むことができます。

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真手ノ浦教会

真手ノ浦地区の信仰は外海地区から移住してきた信徒達が起源と言われ、国道から現在の真手ノ浦教会へ向かう道の途中にある「オラショ館」が最初の祈りの場だったと言われています。1956(昭和31)年に教会が建立され、2010(平成22)年に現在の教会に建て替えられました。2019(令和元)年に新設されたステンドグラスの色鮮やかで美しい図柄が、訪れる人の目を楽しませています。

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中ノ浦教会

中ノ浦教会

1925(大正14)年建立の木造教会。印象的な正面の尖塔は後年に増築されたものです。久賀島の今は無き細石流教会(鉄川与助設計施工)とよく似た、天井や花の装飾が特徴的です。水際に佇み、満潮時に穏やかな水面に教会が映り込む一帯の風景は、誰もが心なごむ美しい光景です。別名「水鏡の教会」と呼ばれています。

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若松大浦教会

若松大浦教会(画像提供:長崎県観光連盟)

十字架が無ければ見逃してしまいそうな、民家風の小さな教会堂。1926(大正15)年にヒューゼ師により祝別されたのが始まりで、昭和20年代に民家を借り受けて教会堂とし、1990(平成2)年に増築されて現代に至ります。祭壇には信者の手によって彫られた、日本風の優しい顔立ちのマリア像が掲げられています。

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土井ノ浦教会

土井ノ浦教会

大曽教会が新教会堂を造った際に木造の旧教会堂を買い受けて1915(大正4)年に移築し、1918(大正7)年に祝別。その後、1939(昭和14)年と1998(平成10)年の2度にわたり大規模な修理が行われ、現在に至ります。港から見ると天を仰ぐところに建っており、中は極めて重厚な造りです。教会の隣には「カリスト記念館」があり、教会や信徒にまつわるものが展示されています。

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桐教会

1897(明治30)年に五島中部の中心として桐小教区が設立。現在の教会堂は1958(昭和33)年に建立された。若松大橋からも真っ白な尖塔と背後の赤い屋根を望むことができます。青い空とエメラルドグリーンに輝く海、山の緑に映える教会は行き交う船の安全を見守っているかのようです。桐教会は、上五島の美しさとキリシタンの歴史を一度に見ることのできる、数少ない観光名所です。

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高井旅教会

高井旅教会(画像提供:長崎県観光連盟)

高井旅海水浴場の近くにあり、白壁に赤い尖塔の屋根が美しい教会です。当地の信仰は1850(嘉永3)年頃、外海樫山地区の3家族が弾圧を逃れて小舟で渡ってきたのが始まりと言われています。1938(昭和13)年に信仰を守り続けてきたおよそ100人の隠れキリシタンが集団洗礼を受けてカトリックに復帰し、その後1961(昭和36)年に現在の聖堂が建立されました。

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福見教会

福見教会(画像提供:長崎県観光連盟)

1882(明治15)年に木造教会が建設され、1913(大正2)年に現在の赤レンガ造りの教会堂が完成しました。レンガ造りの教会堂としては珍しい日本的な格組折上天井で、ステンドグラスがかわいい。近くに見える福見浜も綺麗です。

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浜串教会

浜串教会

1899(明治32)年に祝別された初代の教会堂は、捕鯨の利益で建てられたと言われています。1966(昭和41)年に現教会堂が建立。近くの漁港には「希望の聖母像」があり、船の出入りを見守るように立つ姿が印象的。広々とした聖堂内は荘厳な雰囲気で、豊かな色彩で描かれた十字架の道行きも特徴的です。

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希望の聖母像

希望の聖母像

浜串教会の近く、岩瀬浦集落の浜串港入口の岬の突端に、航海の安全と豊漁を祈って建てられた純白の聖母像。海に向かって立ち、幼いイエスを腕に抱き優しい表情で海を見下ろしています。1954(昭和29)年の建立から40年以上潮風と雨にさらされ老朽化が進んだため、信徒と有志の寄付により1996(平成8)年に建て替えられました。浜串港を出入りする船を日々見守っていてくださっています。

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到着地(奈良尾港または希望地)

Goal